前回は経営・組織におけるリスク回避のためのPDCAの②「Do(実行)編」として、EAP制度について触れました。
今回は、より具体的に実行内容や+αのケア方法等を詳細にご説明していきたいと思います。
前回概要をお伝えした通り、EAP制度(Employee Assistance Program)とは心身に不調を来す従業員のケアを目的とした従業員支援プログラムのことを指します。
昨今、SDGsやCSRに対する企業側の取り組みが求められるのと同様、従業員に対しても企業側の負う責任や福利厚生に資する範囲が大きくなりつつあります。
従業員が生き生きと働ける環境を提供するため、従業員の心と体の両側面から支援していくことにフォーカスするEAP制度。制度を取り入れ、具体的に何をするのか、下記に7つに大別した例を挙げます。
A:カウンセリング窓口の設置
B:メンター制度の設置
C:心理検査・ストレスチェックの設置及びアフターフォロー制度
D:研修制度
E:人事採用勉強会・研修会の設置
F:復職サポート・産業医の設置
G:惨事ストレスマネジメント・医療福祉機関の情報提供
ただし、きちんとした運用ができていなければ、折角設置した制度も意味を成しません。
EAP制度の効果を最大限に引き出すため、上記のA~Gを設置していくのと同時進行で、下記のような運用フローの確立を目指していくがオススメです。
従業員① セルフケア➡ストレスへの気づき➡ストレスへの対応
管理者② ラインケア➡職場環境の改善➡メンター対応/相談対応
内部EAP③ 職場内の専門スタッフ➡職場環境、ストレス状況の把握、管理者からの相談対応➡管理者と共同し職場環境改善
外部EAP④ 職場外の専門機関➡情報提供及びコンサルティング➡復職支援➡外部カウンセリング対応
①‥‥従業員が自身のストレスについて理解し、ストレスを感じた時どのように対応すべきかという理解を促すことが必要になってきます。
②‥‥管理側の必須知識の構築と心理テクニックも含めた「メンタリング能力」を付けていただくことも重要な課題となります。
③④‥‥バックオフィス体制の構築になります。実施内容が決まったとしても、バックオフィスがうまく稼働しないと制度自体が進みません。
EAP制度の構築自体はそれほど難しいものではありませんが、運用フローを確実に設定して実施できる体制づくりとストレスに対し個人と会社の双方が協力してアプローチをしていくという社内文化を創り出すことが最も重要です。
弊社ではEAP制度導入を検討しているお客様に対し、導入支援、アドバイザリー業務も受け賜っております。ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
次回は、EAP制度にも関連する「メンター制度」についてお話していきたいと思います。
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